1. トップ
  2. 世田谷あるき
  3. 秋の世田谷、文化と本と寺町めぐり
秋の世田谷、文化と本と寺町めぐり

秋の世田谷、文化と本と寺町めぐり

エリア
芦花公園・祖師ヶ谷大蔵駅周辺
テーマ
神社仏閣・歴史、グルメ、ショッピング
所要時間
10時間

紅葉を眺め、町へ出よう。秋の烏山を歩く

赤や黄色に色づいた木々を眺めながら寺町を歩けば、秋の深まりを感じます。いつもの世田谷を、少しだけ遠回りして歩いてみる。文学館で作品の世界に触れたり、偶然手にした本を手に公園で読書をしたり。少しひんやりした風に誘われて、気になる場所があれば立ち止まる。そんな余白のある一日を、秋の世田谷で過ごしてみませんか。

コース詳細

所要時間
10時間/4.34km

※地図内のルートは、スポット間を最短経路でつないだもので実際のルートとは異なります。

烏山寺町

烏山寺町

北烏山2〜6丁目に26の寺院が並ぶ「烏山寺町」。関東大震災後、浅草や築地など都心から移転してきた寺院が集まったのが始まりで、寺町通りが形づくられました。「世田谷の小京都」とも呼ばれるこの一帯は、通りを歩けば趣の異なる山門や境内が現れ、季節の花や緑が目を楽しませてくれます。静かな寺町の風情を感じながら、ゆっくり歩きたいエリアです。

住所
東京都世田谷区北烏山2~6丁目
  • 千歳烏山駅
VIEW

紅葉が彩る秋の烏山寺町

寺院が連なる烏山寺町は、秋になると境内や通り沿いの木々が色づき、しっとりとした秋の風景に変わります。赤や黄色に染まった木々と寺院の山門や瓦屋根が織りなす景色は、この季節ならでは。気になるお寺をお参りしたり、足を止めて紅葉を眺めたりしながら、行き先を決めすぎず、気ままに歩きたい季節です。

寺町通りで、ふと心惹(ひ)かれて妙壽寺へ

総檜造りの山門がひときわ目を引く妙壽寺。寛永8年(1631)創建の寺院で、境内には旧蓮池藩鍋島家の邸宅を移築した「鍋島客殿」も。世田谷区指定有形文化財に指定された貴重な建物です。享保4年(1719)に造られた梵鐘(ぼんしょう)も残り、歩きながら歴史に触れられます。
広々とした境内で、木々に囲まれた小径(こみち)を歩けば、竹林やつつじ庭園など、気になる風景に出合うことも。足を止めながら気の向くままに散策していると、時間がゆっくり流れていくようです。五代目立川談志氏や女優の大原麗子氏の墓所もあり、今もファンが墓参りに訪れるそう。寺町通りの散歩の途中に、ふらりと立ち寄りたい場所です。
タクシー12分、または徒歩28分
世田谷文学館へは徒歩約30分。寺町通りを千歳烏山駅方面へ真っすぐ歩いていくと、寺院が連なる町並みから、少しずつ住宅街へと景色が変わっていきます。季節の花木や沿道の緑を眺めながら、のんびり次の目的地へと向かいます。
世田谷文学館
世田谷文学館
世田谷文学館

世田谷文学館

平成7年(1995)に開館した東京23区初の地域総合文学館。世田谷ゆかりの作家や文学にまつわる約10万点の資料を収蔵し、企画展やコレクション展を通して、文学の世界をさまざまな角度から紹介しています。絵本や漫画、映画など、文学にとどまらない幅広いテーマを扱うのも特徴。展示を見たあとに、館内のライブラリーやミュージアムショップをのぞいてみるのもいいでしょう。文学に詳しくなくても、気軽に立ち寄れる「セタブン」です。

住所
東京都世田谷区南烏山1-10-10
  • 芦花公園駅
VIEW

ジャンルを超えて文学の世界を縦横無尽にめぐる「セタブン」

現在開催中のコレクション展「没後30年 宇野千代展」(2027年3月28日まで開催)を見学。世田谷文学館が収蔵する資料を通して、恋愛や出会いを重ね、恋と創作に生きた作家・宇野千代の半生に迫ります。※写真は前期(2026年4~9月)の展示
ムットーニこと武藤政彦氏が手がける自動からくり人形の作品を常設展示。小さな舞台の中で人形が動き、音楽や照明、語りが重なって物語が展開します。上映作品は随時入れ替わるので、訪れるたびに異なる作品を楽しめます。目の前で繰り広げられる幻想的な世界に、思わず見入ってしまいます。
「ライブラリー ほんとわ」には、文学作品から絵本、アート本やマンガ、雑誌など、幅広いジャンルの本がそろいます。専門家や作家が選んだ本を紹介する棚や、テーマに沿った特集コーナーもあり、思いがけない一冊との出合いも。奥には授乳室を備えたベビー&キッズエリアがあり、親子でのんびりと過ごせます。
館内に併設された「喫茶どんぐり」(11:00〜16:30LO)は、展示を堪能したあとのひと休みにぴったり。アップルパイ(セット900円)は、昔ながらの味わいが人気の定番メニュー。このほか、手作りのシフォンケーキや、コレクション展にちなんだ期間限定メニューもあります。鑑賞の余韻に浸りながら、ゆっくりお茶を楽しむのもおすすめです。
徒歩11分
世田谷文学館を出て住宅街を歩いていくと、きれいに整備された街路樹や沿道の植栽が目に入ります。建物が並ぶ町のなかにも緑が多く、木々を眺めながら歩くのが気持ちいい道のりです。
都立蘆花恒春園
都立蘆花恒春園
都立蘆花恒春園

都立蘆花恒春園

『不如帰』『自然と人生』などで知られる明治・大正時代の文豪、徳冨蘆花が晩年の約20年間を過ごした住まいと庭を中心に整備された都立公園。蘆花はここを「恒春園」と名づけ、晴耕雨読の暮らしを送りました。園内には「徳冨蘆花旧宅」や「蘆花記念館」、夫妻の墓所があり、往時の暮らしの様子が伝わってきます。開放区域には花の丘や草地広場、桜並木などがあり、四季折々の自然が楽しめ、地域の人々に親しまれています。

住所
東京都世田谷区粕谷1-20-1
アクセス
京王線芦花公園駅または八幡山駅下車、徒歩15分
  • 芦花公園駅
  • 八幡山駅
VIEW

文豪ゆかりの地で過ごすゆったり自分時間

ランニングをする人、愛犬と散歩をする人、のんびり散策をする人。約8万㎡に広がる園内で、それぞれが思い思いの時間を過ごしています。文豪ゆかりの場所でありながら、地域の人の日常に寄り添う身近な憩いの場となっています。
紅葉の季節を迎えた徳冨蘆花の旧宅「秋水書院」。茅葺(かやぶ)き屋根の趣ある建物に入れば、蘆花が暮らした往時の面影を感じられます。入園・見学は無料です。

地元の人とつながる秋の恒例行事「烏山地域蘆花まつり」

「蘆花恒春園」を舞台に、毎年10月に開催される烏山エリアのおまつり。ステージでは地域の学校や団体がパフォーマンスを披露し、ふるさと物産展や模擬店も出店します。家族連れはもちろん、大人もふらりと気軽に立ち寄れます。色づき始めた木々を眺めながら、地域の人の温かさに触れられる秋の一日を過ごせます。
タクシー12分、または徒歩28分
タクシーなら約10分ほどで着く距離ですが、時間に余裕があれば、ちょっとした運動を兼ねて歩いてみるのもおすすめです。落ち着いた住宅街をてくてく歩けば、次の目的地までも楽しいひとときに。
BOOKSHOP TRAVELLER
BOOKSHOP TRAVELLER
BOOKSHOP TRAVELLER

BOOKSHOP TRAVELLER

個性豊かな独立書店の存在をもっと多くの人に知ってもらいたいと、店主の和氣(わき)正幸さんが2018年に下北沢でスタートしたシェア型+新刊書店。2023年から祖師ヶ谷大蔵に移転しました。店内には個人をはじめ、出版社や作家などが選んだ本と、和氣さんの選書による新刊が並びます。2階のギャラリースペースでは展示を数多く開催。トークイベントや読書会なども行っています。本をきっかけに、さまざまな人と交流できるのも魅力です。ちなみに和氣さんの原点となる一冊は『ロビンソン・クルーソー』だとか。

住所
東京都世田谷区祖師谷1-9-14
アクセス
小田急小田原線祖師ヶ谷大蔵駅下車、徒歩2分
  • 祖師ヶ谷大蔵駅
VIEW

本屋をめぐる楽しさを、ここから

店内には、棚を一つ借りて自分だけの本屋をつくれる「ひと箱店主」の棚がずらり。ご近所の本好きからフランス在住の方、作家やデザイナーまで約100人の店主が、約30×45×21cmの小さなスペースに、それぞれの「好き」を詰め込んでいます。お気に入りの本や著書、ZINEなどが並ぶ個性豊かな棚をのぞけば、思いがけない一冊との出合いが待っています。
店主の和氣さんはサラリーマンとして働いていた2010年に、本屋を紹介する活動をスタート。全国の独立書店を訪ね、本屋の魅力を発信し てきました。2015年に独立、本屋ライターを名乗りはじめ、2018年に下北沢に店を開き、2023年に現在の祖師ヶ谷大蔵へ移転。独立書店の魅力を発信し続けています。
徒歩12分
店主さんとのおしゃべりも弾み、気づけば夕方。祖師ヶ谷大蔵駅を越え、商店街を南へ。通りのあちこちにあるウルトラマンモチーフを探しながら歩くのもこの町ならではの楽しみ方。ウルトラマンジャックのモニュメントを右に曲がれば、耕雲寺へ到着します。
成城山耕雲寺
成城山耕雲寺

成城山耕雲寺

約250年の歴史を持つ曹洞宗の寺院。江戸時代中期の安永5年(1776)に新宿・角筈(つのはず)で創建され、戦災を経て昭和27年(1952)にここ砧へ移転しました。平成3年(1991)に境内を建て替え、すり鉢状の地形を生かした独特の伽藍(がらん)に。モダンなコンクリートの山門や伝統的な木造に鉄骨を組み合わせた本堂など、現代的な意匠が随所に見られます。こちらの建築を目当てに世界各国から訪れる人も多い、知る人ぞ知るスポットです。

住所
東京都世田谷区砧7-12-22
アクセス
小田急小田原線祖師ヶ谷大蔵駅下車、徒歩7分
  • 祖師ヶ谷大蔵駅
VIEW

静けさに包まれ、無心のひとときを過ごす寺

坐禅(ざぜん)専用の道場。先代が「一般の方にも気軽に坐禅を体験してもらいたい」と昭和43年(1968)に始めました。坐禅会は60年近く続き、これまでの開催は4000回以上。初心者も参加できる坐禅会や経験者向けの暁天坐禅会、本堂で行われる写経会など、いずれも檀家(だんか)でなくても参加できます。静かな境内で、心を整えるひとときを。
警策を受けるところ。毎週土曜夕方に行われる初心者向けの坐禅会では、座り方から警策の受け方まで、丁寧に教えてもらえます。線香1本が燃え尽きる約40分を一炷(いっちゅう)と数え、坐禅は通常二炷行いますが、一炷で終えることも可能。曹洞宗の作法に則(のっと)って壁に向かって坐(すわ)り、雑念を手放し、無心の境地へと近づいていきます。
徒歩1分
来た道を戻り、今度はウルトラマン商店街を南から北へ。途中、ウルトラセブンのモニュメントが見守る公園に立ち寄ったり、店先に並ぶウルトラマン関連のグッズをのぞいたり。歩いていると、町のあちこちからウルトラマンを盛り上げる雰囲気が伝わってきます。「次は何があるんだろう」と気になって、ついつい寄り道したくなる道のりです。
ウルトラマン商店街

ウルトラマン商店街

小田急線祖師ヶ谷大蔵駅を囲む3つの商店街からなる「ウルトラマン商店街」。かつてこの地に円谷プロダクションがあったことから、2005年に誕生しました。3カ所に設置されたウルトラアーチウェイや怪獣のモニュメントなど、町のあちこちにウルトラマンの世界が広がります。なかでも駅前の「ウルトラマンシンボル像」では、毎正時にちょっとした仕掛けが。何が起こるか、ぜひその目で確かめてみて。

住所
東京都世田谷区祖師谷
アクセス
小田急線祖師ヶ谷大蔵駅下車、徒歩1分
  • 祖師ヶ谷大蔵駅
VIEW

町のあちこちに広がるウルトラマンの世界。歩くたび、新発見

祖師谷みなみ商店街の通りには、バルタン星人をモチーフにした街路灯が並びます。3つの商店街でそれぞれデザインが異なり、ウルトラマンやウルトラマンタロウをモチーフにしたものも。街路灯にはカラータイマー型ののぞき穴があり、ウルトラシリーズの名場面を見ることができます。お気に入りのヒーローを探しながら歩いてみては。
遊ぶ子どもたちを見守るように立つ、砧八丁目児童遊園のウルトラセブンのモニュメント。子どものころにテレビで見ていたヒーローを、今もこうして町で目にすると、どこか懐かしい気持ちになります。
徒歩8分
歩き続けて、そろそろお腹も空いてくるころ。商店街をそのまま北へ進み、団地が見えてきたら、通りを右へ。最後の目的地「アオジ・ソシガヤ」に到着です。待っているのは、薪窯で焼き上げる香ばしいピッツァ。今日の町歩きを、ゆっくり食事で締めくくります。
アオジ・ソシガヤ
アオジ・ソシガヤ
アオジ・ソシガヤ

アオジ・ソシガヤ

祖師ヶ谷大蔵駅から商店街を真っすぐ徒歩8分、ケヤキロード祖師谷にある「アオジ・ソシガヤ」。薪窯で焼くピッツァやこだわりのパスタには、定番のマルゲリータといった王道メニューに加え、実山椒やたまり醤油に漬けた青唐辛子など、和の食材を取り入れたメニューもあります。産地にこだわったワインを合わせながら、ゆっくり食事を楽しむのがおすすめです。季節の食材を使った料理も登場し、訪れる時季によって異なる味わいを楽しめます。

住所
東京都世田谷区祖師谷2-4-7 ケヤキロード祖師谷1号
アクセス
小田急小田原線祖師ヶ谷大蔵駅下車、徒歩8分
  • 祖師ヶ谷大蔵駅
VIEW

ナポリの薪窯で焼くこだわりピッツァ

ナポリから取り寄せたピザ窯。ナポリには、先祖代々ピザ窯を造り続けている職人がいて、そんな職人の手による窯をオーダーしたそうです。薪を使う窯は火や熱の質が異なり、ピッツァの仕上がりも変わるのだとか。高温で焼き上げることで、生地の外側はパリッと、中はもっちり。薪火ならではの香ばしいピッツァが味わえます。
和の食材を取り入れたピッツァやパスタが、この店の特徴。写真は「コンフィにした秋刀魚となす、実山椒ピッツァ」(2900円)と「山梨紫藝醸造 翠翠ルージュ」(ボトル5300円)。実山椒は旬を迎える6月に一年分を仕込み、料理に使っています。店主が「自分が食べたいもの、好きなもの」を形にした料理は、素材の下処理から一つ一つ丁寧に作られています。
大正~昭和初期のアンティーク家具に施された、鳥をモチーフにした意匠が印象的です。店名にある「アオジ」は、季節になると店主の自宅に一羽だけ姿を見せていた渡り鳥が由来。朝になるとやってくるその鳥とのささやかな縁が店名につながっています。
店主の後藤繁則さんは、日本美術に関わる仕事をしていた両親のもとで育ちました。幼い頃は身近な日本美術にどこか距離を感じ、あえて違う世界へと選んだのがイタリアンの道でした。年齢を重ねるうちに、和の器や古いものに自然と心惹かれるように。そうして少しずつ集まった好きなものが、今の店をつくっています。「自分の好きなものだけを集めた趣味の店」と話す後藤さん。店のあちこちに、そのこだわりが感じられます。
まとめ

色づく木々を眺めながら寺町を歩き、文学に触れ、気になる本を手に取る。秋の世田谷には、寺や文学館、本屋など、寄り道したくなる場所があちこちにあります。町を歩くうちに、個性的な店や地域の人たちの日常がふっと目に入ってくることも。少しひんやりした空気を感じながら、気になる場所で足を止め、自分のペースで歩いてみる。そんな秋の一日を、世田谷で過ごしてみませんか。

※記載されているデータは、料金は原則的に税込金額、休日は原則として定休日を表記しています。年末年始、お盆、臨時休業などは省略してあります。2026年10月の情報です。

このページをシェアする